フィクションと劇場型犯罪の世界

日本での劇場型犯罪は

 日本での劇場型犯罪は、銃規制などによって、直接的な殺人とまでは至っていないケースが殆どだ。しかし、その危険は見過ごせるものではなく、特に歴史的なものであればグリコ・森永事件やPC遠隔操作事件などがあげられるが、どちらも社会に及ぼした影響を鑑みるに、決して、無視できるような自体では無いと考えられるだろう。そんな、日本での劇場型犯罪がどのようなものがあったのかについて、再確認していこう。

グリコ・森永事件

 最も有名な事件と言えばやはり、グリコ・森永事件だろう。これは1984年(昭和59年)と1985年(昭和60年)に、阪神を舞台として食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件であり、警察庁の広域重要指定114号事件として取り扱われていた。犯人が「かい人21面相」と名乗ったことから、かい人21面相事件などとも呼ばれているが、2000年(平成12年)2月13日に愛知青酸入り菓子ばら撒き事件の殺人未遂罪が時効を迎えたことによって、全ての事件が公訴時効の成立という結果になってしまい、警察庁広域重要指定事件では、初の未解決事件となってしまったのである。

犯行の始まりはなにか?

 元々は1984年3月の江崎グリコ社長を誘拐して身代金を要求した事件が事の発端だったのだが、それがあまりにも上手く行きすぎたためか、犯人を勢いづかせてしまい、江崎グリコに対して脅迫や放火といった事件がたて続きに引き起こった。その後、丸大食品、森永製菓、ハウス食品、不二家、駿河屋などといった食品を取り扱う企業を次々と脅迫。現金の引き渡しにおいては次々と指定場所を変えたが、犯人は一度も現金の引き渡し場所に現れないといった不審な点などが幾つかあった。また犯人と思しき人物が何度か目撃されたが逃げられてしまったため、結局正体は分からなかったと言われている。他にも、1984年5月と9月、1985年2月に小売店で青酸入り菓子を置き、日本全国を不安に陥れた上ことによって、評論家の赤塚行雄から劇場型犯罪と名付けられた。同時期に世間を騒がせた三浦和義のロス疑惑とともに当時の世相として振り返られることも多い。1984年4月12日に警察庁広域重要指定事件に指定された。

犯人像の予想

 これは個人的な犯人像の予測とはなってしまうのだが、おそらく犯人は株などのトレーダーではないのかと筆者は睨んでいる。特に身代金を要求しておきながらも、指定場所には現れず、現金を受け取らないという事は、あくまでも現金目的の恐喝の線へ警察を導き、株の空売りによって利益を得ているという部分を隠すためにやっていたのではないかという疑念が見えてくる。空売りとは、これから値段が下がるであろう株を予測して、その時期の値段で買い集め売却し、値段が下がった時点で買い戻し持ち主に返すという信用売りのことを指す。つまり、恐喝によって株の値段が下がる事が事前にわかっている為、空売りで売却しきってから、買い戻すまでに犯行に及べば、目論見通り株価が下がり、安く買い戻すことが出来、差額による利益が生まれるというわけである。実際に、1984年1月時点で745円だったグリコ株は、社長誘拐・工場放火事件があった翌日5月17日には、598円にまで下がっており、収束宣言によって値段が元に戻ることも前提として考えると、仕手で100億円以上の利益を出すことも可能だったのではないかと指摘されていた。実際に、警察も、関係企業の空売りや買戻しで目立った動きをしている人物や団体を徹底的にチェックをしていたということらしいが、恐らくはどれか一つがホンボシの企業で、他はめくらましの為に行った犯行だったのではないかという意見もあったりするのだ。

 ちなみにこれは攻殻機動隊の笑い男事件の一部にもアイディアとして使われている。

パソコン遠隔操作事件

 パソコン遠隔操作事件も非常に問題となった劇場型犯罪だ。これは日本で、2012年(平成24年)の初夏から秋にかけて、犯人がインターネットの電子掲示板を介して、他者のパソコン(PC)を遠隔操作し、これを踏み台として襲撃や殺人などの犯罪予告を行ったサイバー犯罪事件なのだが、実際に悪意のあるトロイプログラムによって犯行が行われていたにも関わらず、四人が誤認逮捕された上、大学生の一人が警察による取り調べの結果、無実でもあるのにも関わらず自白をさせられ、また、家庭裁判所もその自白調書をなんの疑いもなく受け入れ、有罪が確定してしまうという事件にもつながった。

 その後、真犯人を名乗る男が声明文を出したことによってこれらは、取り消される結果となったが、もしも声明文を出さなかったらと思うと心臓が凍るような思いである。現在では真犯人だとされる人が逮捕され、

三重県警は気づいていたが

 この中で特に酷いのは三重県警が、ウイルス感染による遠隔操作事件だという事を見抜いていたのにもかかわらず、大阪府警では「IPアドレスという証拠がある」「認めれば、罪が軽くなる」などとアニメの演出などを務める北村さんに対して尋問し続けていたそうで、実際に三重県警が大阪府警に情報提供したことによって、漸く無実だという事が判明していたという事実です。しかも、その上、何故見抜けなかったのかの理由が、「ウイルス対策ソフトに引っかからなかったから」「立件するしかないという空気になっていた」などと述べており、非常に低次元な上、専門化に判断を仰がないという時点でどうなのだろうとは思わずにはいられない。